NIA 〜紅い糸が切れるまで〜
その瞬間、ルナが消えた。
ーーーキィィン‼︎‼︎
金属音。
どこからか出された刀と剣がぶつかり合う。
鍔迫り合いになりながら、双方は互いを睨んだ。
「粛清する気?
ボクにそんなことしたら、キミもただじゃ済まないケド……いいの?」
「貴族のボンボンが、
安い挑発してんじゃねーよ。」
「わぁお♪いうねぇ〜」
その言葉を皮切りに、激しい乱闘が始まった。
何度もぶつかり合い、その度に火花が散る。
白銀の白い刃を振り回す彼らは、まるで舞を待っているように美しかった。
美しいと、思ってしまったんだ。
「くっ…」
顔を歪めたのは、私を襲ったあの男だった。
刃が頬を掠めたのか、血が流れている。