先輩、私のこと好きになってくれますか?
「その彼女さんが嫌がらせ受けたり…」
「…その可能性の方が高いわね」
やっぱりそうだよね…。
大好きな気持ちをどうしたらいいのか分からなくて…
その先が彼女さんに行っちゃう可能性もあるもんね。
窓の方を見ると王子様の周りにたくさんの女の子がいて、
王子様は真ん中でニコニコ笑ってるけど、
なんだかぎこちない笑顔な気がした。
じーっとその様子を見てると…
「あ…」
「え?」
王子様と目が合った……気がした。
「どうしたの?」
「今、目が合った気がしたの。
気のせいかな?」
私がそう言うと、沙耶ちゃんも窓の外を見た。
王子様はもうこっちは見てなくて、
結局目が合ったのか合ってないのか分からないまま、チャイムが鳴ってしまった。
「また後でね」
「うん!」
沙耶ちゃんが自分の席に戻った後も、
私は外をぼーっと見てた。