先輩、私のこと好きになってくれますか?
止まることなく昨日私が1人でいた場所へ。
2人きりになってすぐ、
全身の力が抜けた気がする。
その場にしゃがみこむと、
大翔先輩の少し焦り気味な私の名前を呼ぶ声が頭上から聞こえた。
でも、すぐに同じ目線になってて、
先輩がしゃがんでくれたのが分かる。
「大丈夫…?」
「…は、はい……」
怖かった……。
だって周り囲んでたの、3年生の女の先輩で…
しかもすごく美人さんだったから尚更。
さっきなことを思い出して震えていると、
大翔先輩に頭をぽんぽんと撫でられた。
「…怖かったよね、ごめんね。
でも、ありがとう。俺のために。」
そう言って笑う大翔先輩は、
いつもの笑顔よりももっと優しい笑顔。
「何かあったら言って。
……できる限り、頑張るから」
…それはつまり…守ってくれるってこと?
心配そうな表情をするのは、
元カノさんのことを思い出してるから…?
そんなの、いや。
何があっても、笑顔で接してやる。
私は、大丈夫だって。
伝わるまで笑顔を貫き通してやるんだから!
ニコッと笑い返して、焼きそばを食べる準備をすると、大翔先輩も胡座をかいて、食べ始めた。
2人きりの、お昼ご飯。