先輩、私のこと好きになってくれますか?
それからいつものように授業を受けて、
お昼休みになった。
お昼休みも沙耶ちゃんが私の席の方に来てくれるんだけど…
今日はなんだか廊下が騒がしい。
そう感じてるのは沙耶ちゃんもみたいで、
ご飯を食べながら眉間にしわを寄せてた。
私も気にせずご飯を食べてると、女の子の黄色い声がもっと大きくなった。
…何かあったのかな?
「桐生さん、いる?」
そんな、どこかで聞いた声が聞こえて
声のした方を見ると…
王子様が立ってた。
「騒がしい原因はあれか…」
沙耶ちゃんはそんなことを言ってたけど、
それを気にかける余裕はなくて…
だって今、私を呼んだ…よね?
このクラスに桐生は私だけだから…。
「柚乃〜香月くんが呼んでる〜」
そんな理央くんの声を合図に、
みんなが一斉に私の方を見た。
「ちょ、柚乃!早く行きな!」
沙耶ちゃんの言葉にハッとして勢いよく席から立ち上がって王子様の元へ行った。