先輩、私のこと好きになってくれますか?
それから数分。
ワークと睨めっこするも、
やっぱり分からなくて……
解答をカバンから引っ張り出して見るも、
もはや何が書いてあるかサッパリ。
ため息をぐっと抑えてチラッと大翔先輩を見ると、スラスラ〜と数学の問題を、
しかも私がやっているのよりも断然難しい問題を解いていた。
それからまた数分。
私も負けじと睨めっこを続けてるんだけど、
一問も進んでなくて挫折。
おでこを机の上にコツンと付けると、
クスクスという笑い声が聞こえて頭を上げた。
「もう、面白すぎるよ、柚乃ちゃん。」
「何がですか…?」
「問題見て眉間にシワよせて、
解答みてもっとよせて、
ため息抑えてもう一回果敢に挑戦するも
できずに挫折…」
……って!見てたんですか!?
「もう集中できないや、俺」
「えぇ…私のせいですか?」
「ははっ、冗談だって。
どこ?教えてあげるよ」
…結局先輩の邪魔をしてしまってる気がしなくもないけど、
素直に分からないところを聞いた。