先輩、私のこと好きになってくれますか?
王子様のところに着くなり、王子様はニコッとそれはそれは極上の笑顔を見せてくれた。
「突然来ちゃってごめんね」
「い、いえ…!」
「これ、昨日落としたみたいなんだけど…」
そう言って差し出してくれたのはキーホルダー。
このキーホルダー!ずっと探してたんだ!!
家に帰ってみたらカバンに付いてなくて…
誕生日にお母さんに買ってもらったものだったからすごく落ち込んじゃって…
お母さんはまた買ってあげるって言ってたけど、落としちゃったことがショックだったんだ。
「ありがとうございます!
ずっと探してたんです…」
良かった……
紐の部分が壊れちゃってるから、
もうキーホルダーとしては使えない、かな。
「大切なものだったんだね…」
「え?」
「すごく悲しそうな顔してる」
そう言って王子様は、私の顔を王子様自身の手で上げた。
途端に、女の子たちの悲鳴が聞こえる。
女の子たちをここまでにさせちゃう王子様って…すごい。