先輩、私のこと好きになってくれますか?
「ぼーっとしてられないのよ、柚乃!」
「え…なんで?」
「今まで見てただけの女たちが
ついに動き出したんだぜ?もっと身構えろ」
り、理央くん…!
相変わらずいつの間にかいる人だなぁ。
「おはよう、理央くん」
「はよ〜って、呑気だな、おい」
これでも心の中ではいろいろ考えてるよ。
動き出したって、
それは私に何か被害が及び始めるってことなのか
それとも、全く関係ないのか…。
今のところ特に何かあるわけじゃないし、
なんとも言えないけど。
「柚乃、大体のファンクラブのルールって、
“〇〇くんはみんなの物!”って感じなのよ。
要は、女子たちはついに王子はみんなの物宣言したってこと。
いい?あんたと王子が急激に仲良くなったのをみて、ファンクラブを作ったってことは間違いないの。
気をつけなさい、柚乃」
「わあ、沙耶ちゃん、探偵さんみたい!」
あのねえ、っていう沙耶ちゃんの声と
あのなあ、っていう理央くんの声が重なる。
ふふっ、心配してくれてありがとう。
「大丈夫、分かってるよ。
何かあったら2人に言うね!
でも、大翔先輩には言わないでね?」
「ああ、香月くんには言わない」
理央くんの言った通り、
ちょっとだけ身構えて生活しようかな…。