先輩、私のこと好きになってくれますか?





「柚乃にトラウマを作ったかもしれないんだぞ、ことの重大さを分かってんのか。

って、怒られた。

母さんにも怒られたけど、
どうしても柚乃に謝りたかった。
だから、一回でもいいから柚乃の元へ行かせて欲しいって、頼んだんだ」



「……それで、そのあとは…?」



「その次の日だよ、父さんが事故にあったのが。
俺も、母さんも頭が真っ白になった。
父さんとケンカしたまま、父さんはもう手の届かないところに行っちまった。

だから母さんが、戻ることを提案してくれた。

俺が、柚乃と会えるように。
でも後から聞いたら、
父さんは母さんと俺をこっちに帰らせる気でいたらしい。
全てが終わって、柚乃に笑顔が戻ったら、その時は戻ってくるようにって」



陽七汰も…普通に話してるけど、

泣きたいに決まってる。



泣きたくなると、鼻先を触るよね。

…泣きたいんだよね。





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