先輩、私のこと好きになってくれますか?
* 柚乃 side *
一通り先輩から話を聞いて言葉が出ない。
入学式の案内係として先輩がいたなんて知らなかった…。
いろいろとツッコミどころ満載だったけど、
そこは敢えてスルーすることにした。
「信じてくれた?」
「ま、まぁ……。」
「良かった」
先輩は私の部屋に上がるの2回目だけど、
前と違う感じがするのは…気のせい?
「ね、俺隠す気ないんだけど、どうする?」
「…どういうことですか?」
「付き合ってること」
あ、なるほど。
先輩は隠す気はないけど、
今後どうなるか分からないから、聞いてくれてるのか…。
桃華さんのこともあるもんなぁ。
「私も…ない、です」
ちょっと語尾震えたけど、
先輩ならこれが私の決意の表れだって
分かってくれると思うんだ。
隠してたって仕方ない。
女の子たちの逆恨みにあっても、
沙耶ちゃんとか理央くん。
クラスのみんな。
須田先輩や光留先輩、
もちろん、大翔先輩がいるって分かってるから。
だから、
「大丈夫です」
私のそんな言葉を聞いた大翔先輩は、
ニコッと微笑んで、分かった。と言った。