先輩、私のこと好きになってくれますか?
結構重いな…このテキスト。
なんとか資料室にたどり着いて、
近くにあった机にテキストを乗せる。
やっぱり…一緒に日直の仕事やってもらおうかな…。
元々力のない私は、今運んだだけで腕が筋肉痛になっちゃう気がするほど痛い。
悪い気はするけど…頼みに行こう。
教室に戻るのをやめて、グラウンドへ向かう。
多分、手伝ってくれるはずだから。
───
グラウンドに来たのはいいんだけど……
サッカー部の元までいけないよ…!!
なんかすごく真剣にミニゲームしてて、
声かけていい雰囲気じゃないし…
サッカー部の周りには、たくさんの女の子がいるし…
全員、王子様目当てかな?
どうしよう………。
そう思いながら右往左往していたら、
自分の足につまづいて思いっきり転けた。
「いてて……」
「大丈夫?」
「え?」
後ろから、とても優しい声が聞こえて振り返る。
そしてその人物を見て、声が出なくなった。