先輩、私のこと好きになってくれますか?
先輩に、勉強教えてもらいます!
「なあ、桐生」
「は、はい…」
大翔先輩と連絡先を交換した数日後の放課後。
数学の先生に呼び出されてしまった。
いや…理由は分かってるけど…。
「どうやったらこんな点数とれるんだ?」
そう言って数学の先生…坂野先生は私の“2点”と書かれたテストを私に突き出してきた。
「国語、英語、社会科は完璧。
化学はまあ、そこそこな点数をとってるのに…
50点満点のテストで1桁、お前だけだぞ」
もう本当ごめんなさい。
恥ずかしい限りです。
昨日の数学の授業中にやった小テスト。
なんと私は過去最低の50点中2点という記録を出してしまったのです。
「全く…俺の教え方の所為でもあると思うが…」
「本当、すみません」
「このままじゃ今度の期末が心配なんだが」
はい…私もです。
赤点どころか0点の可能性だってあります…。
「勉強はしてるのか?」
「が、頑張ってるんですけど…
ワーク自体が分からなくて……」
そう言うと、先生はため息をついた。
もうほんと、ごめんなさい。