先輩、私のこと好きになってくれますか?
「もう一度やり直さないかって言われた。
でも俺、柚乃ちゃんがいるって言ったんだ。
そしたら元カノが、泣いちゃって……。
分かったとは言ってくれたんだけど、
本当にあのままでいいのか分からなくて。」
それで悩んでたんだ……。
「……先輩は、元カノさんのところに
戻りますか?」
別に、元カノさんへの同情とかじゃない。
私だって辛い思いはしてきた。
しんどいとも思ってきた。
それでも周りの人の助けがあって、
どんなに辛くても先輩が好きだからこそ、離れたいなんて思わなかった。
ただ、もし大翔先輩が戻ることが幸せならば、
私は好きな人の笑顔を幸せを、優先したい。
「…戻らない」
「先輩…」
「俺、今がすごく幸せだから。
柚乃ちゃんの隣は他のやつに渡したくないし、
俺が柚乃ちゃんを幸せにしてあげられる存在でいたいから」
そうやっていって貰えるなんて思わなくて、
いつの間にか泣いちゃってた。
先輩はそんな私を見てクスクスと笑ってたけど、
その笑顔がいつも通りの笑顔で、
やっといつもの先輩だって、それでまた嬉しくなって、涙が止まらなくなった。