先輩、私のこと好きになってくれますか?
『だから、大翔。
どうか幸せになって。
柚乃ちゃんがどんな子か気になったけど、
話を聞く限りじゃ良い子そうだし、
なんだか私まで癒されちゃった!』
ちょっと無理した西野先輩の言葉で、
さっき引っ込んだ涙がまた出てきた。
「西野先輩…っ」
『あら、もしかして泣いてる?!
…ふふ、私は大丈夫。
きっと柚乃ちゃんは強い子なのよね。
樹から聞いたわ。
女の子たちに嫌がらせを受けても
絶対に大翔から離れなかったって。
私は弱くて逃げちゃったもの。
柚乃ちゃんなら大丈夫よ』
樹先輩、いつのまに…?
大翔先輩も驚いてるのか、
目を見開いている。
大翔先輩も言ってないのにわかったってことか…
樹先輩、すごいなあ。
『柚乃ちゃん、大翔をよろしくね』
「…はいっ!!」
電話が切れても涙が止まらなくて、
先輩に抱きしめられながら泣いていたら、
いつの間にか夢の世界へと飛んでいた。
ふわふわして、安心して、
そんなところで、素敵な夢を見た。