先輩、私のこと好きになってくれますか?
「とにかく、再テストするから、
それまでに20点以上は採るんだぞ?
聞きに来てもいいし、誰かに教えてもらってもいいから、な?」
坂野先生の言葉に頷き、
テストを返してもらって職員室を出る。
数学は本当に苦手で…
高校に上がって最初の中間テストでも危なくて…
…って!そんなこと考えてる暇はないんだ!
次までにどうにかしないと!
20点以上とらなきゃ!
とはいえ、どうしよう。
ワークと向かい合っても分からないし、
解答が解答じゃないし…
教室に着いて自分の席について机に突っ伏す。
外から運動部の声が聞こえたので、
その声で励ましてもらおうと耳を傾けた。
「おいおい、そんなんでいいのかー?」
「やんなきゃできねーぞ!」
「そこで諦めんのかー?
諦めても何も始まんねーぞ!」
…うるさい!熱血野球部顧問!!!
分かってるってば!!
…はあ、何してるんだろう。