先輩、私のこと好きになってくれますか?
「柚乃ちゃんってさ」
「はい?」
帰り道、大翔先輩のサッカーの話だとか
私の数学の話だとか、
他愛もない話をしていて、その話が一区切りついたところで、大翔先輩が口を開いた。
「他の人と違うって言われたりしない?」
「…うーん…どう、なんですかね。
理央くんには、今のままでいてくれって言われましたけど…」
そう言うと、大翔先輩はやっぱり!とニコニコしながら言った。
「俺はね、柚乃ちゃんは周りと違うと思うよ」
「それって、良い意味ですか?」
「もちろん!」
良い意味の周りと違う…って、
一体どういうことなんだろう?
初めて言われたなあ。
「例えば、どんな感じですか?」
「そうだなあ…。
言葉にすると難しいね…」
大翔先輩は、うーんと考え始めた。