先輩、私のこと好きになってくれますか?
とりあえず斎藤くんと教室に戻って、やらなきゃいけない仕事内容を話すととにかく謝られてしまった。
なんだかこっちが申し訳ないなあ。
「桐生さんって珍しいよな〜」
資料室に向かう途中、斎藤くんにそう言われて、首を傾げた。
っていうか斎藤くん!
なんでそんなにたくさんの量を軽々と運べちゃうんだ!
さすがサッカー部……。
「香月くん見ても騒がないだろ?」
「香月くん……?」
名前に聞き覚えがあるんだけど、
誰だかわからなくて聞き返したところ…
「え?」
斎藤くんの目がまん丸になった。
「さっき一緒に話してたじゃん!
学園の王子様!香月 大翔くん!」
「わ、私…ずっと王子様って呼んでたから…」
本当の名前、知らなかった…!!