先輩、私のこと好きになってくれますか?
選手権当日。
すでに前半38分まで来ていて、
前半40分、後半40分の試合だから
実質あと少しで前半は終わる。
点は0-1で私たちの高校は今の段階では負けてしまっている。
サッカー部の人たちの、見たことのない真剣な表情、
大翔先輩のプレーと、キャプテンの顔、
サッカー部全体の、応援席を含めた全体の空気、
全てがドキドキして、目が離せないでいた。
結局点数は変わらないまま前半終了。
休憩中の、監督の話を聞く姿にでさえ
目が離せない何かを感じたんだ。
こんな気持ち、初めてだ。
じーっとその様子を見ていたら、
選手たちがフィールドに戻ってきた。
………あれ?
大翔先輩、止まってこっち見てる…?
そんなことないよね…。