先輩、私のこと好きになってくれますか?
《 分かりました、待ってます! 》
そう返すとすぐに、
ちゃんと寝ててね。って返事が来たので
ベッドに入って寝ることにした。
少しでも元気な姿で、大翔先輩に会いたいな…。
───……
「んん…?」
なんだかおでこが冷たい。
重い瞼をあげると、目の前にぼやけてるけど人の形が見える。
誰だろう…お母さん?
でもお母さんは髪の毛長いし…
今目の前にいる人は、髪の毛短くて…
そう、男の子のような…男の子?
「ひ、大翔先輩!?」
「おはよう、柚乃ちゃん。」
ガバッと起き上がると、再びベッドにダイブ。
大翔先輩に戻されちゃった。
「柚乃ちゃん……」
「?」
大翔先輩は、なんどかすごく悲しそう。
……もしかして…。
もう一度ゆっくりと体を起こして、
身体の向きを大翔先輩に向ける。
少し赤くなった大翔先輩の瞳と目が合って、
確信に変わった。
「……ごめんなさい、観に行けなくて」
無意識のうちに、大翔先輩のことを抱きしめていた。
…最後の試合に、なっちゃったんですね。
「柚乃ちゃんが謝ることはないよ。
試合はね…同点だったんだ。PK戦になって…
仲間のシュートが、最後に相手キーパーに止められて…」
なんて声をかけてあげたらいいのか分からない。
サッカーの事がとにかく詳しい!とか、
そういうわけでもないし、
サッカー部の活動をずっと見てきたわけでもないから…。