先輩、私のこと好きになってくれますか?
それから1時間ちょっと過ぎて、
腕の中で私の名前を呼ぶ声が聞こえた。
「もう大丈夫」
そう言われて抱きしめる腕を緩めた。
…先輩、目が真っ赤だ。
「ごめんね、体調悪いのに…」
必死に首を横に振る。
「…頼ってくれて、嬉しいです。」
「柚乃ちゃんの家来て、俺、泣くつもりなんてなかったのになあ」
柚乃ちゃんにやられたよ、って苦笑いしてる大翔先輩は、いつもの大翔先輩だった。
「そういえば先輩、携帯ブーブー鳴ってました」
「ほんと?気づかなかった」
すぐに携帯を取り出して確認。
サッカー部のグループだって言うから、
ちょっとドキっとしちゃった。
でも、先輩が体の向きを変えてくれて、
私も画面が見える状態に…
私も、みていいんだ…!
その好意に甘えて、携帯の画面に目をやる。
書かれていたのは、みんなから部長への一言…
サッカー部から大翔先輩へのメッセージだった。