先輩、私のこと好きになってくれますか?
「意地悪しちゃったかな?」
そう言ってクスクスと笑う先輩は、
はい。と言って私にスプーンと一緒にゼリーを差し出してくれた。
「……大翔先輩」
「ん?」
そのゼリーを受け取って、
ちょっと恥ずかしいけどそう答える。
先輩は、呼ばれたと思ってるみたいだけど。
「…大翔先輩の方が、好きです」
先輩は、目を丸くして驚いている。
「柚乃ちゃんは、俺のどこが好きなの?
俺、そこまで取り柄もないし、特別カッコいいとか、特別何かがあるわけじゃないでしょ?」
いや…王子様だから、十分カッコいいんですけどね!!
「1番好きなのは、先輩の笑顔…です!
あとは…ヒーローなところも!」
「笑顔?ヒーロー?」
少し考える素振りをした大翔先輩は、
ぷっと吹き出して笑い始めた。
「分かんないけど、俺相当好かれてるんだね」
…その笑顔が、大好きなんですってば。
なんて、心の中でしか言い返せないけど…。
笑顔を返して、ゼリーを食べることにした。