captivate
空を舞う帝国艦隊とエスヴィア国空軍艦隊。


互いの艦隊からはルーンを動力に使う小型戦闘機が何百と空の支配権を巡って争っていた。


その戦場に一基の飛空挺が参入する。


船体の側部には、ヨーツンヘイムの紋章が刻まれていた。


地上で傷を負いながら闘うシンディアが、その優雅な船を見上げる。


『全く…遅いのよ』


船の底から階段が降り、4人の人影が鬼神兵に向かい、跳ぶ。


4人のターゲットにされた召喚獣は凍り、動きを封じられる。


4本の剣閃が鬼神に刻まれ、巨体から四肢が分離した。


そして急に現れた巨大な黒い球体に押し潰された鬼神は、最期にその球体に呑まれて消えていった。


『一瞬遅い』


『いいじゃない
 ちゃんと斬ったし』


『倒したのですから
 別に揉めなくても…』


『いいから次行きましょ』


鬼神の倒れた後に起きた煙の中から4人が姿を現す。


クリスはシンディアに気付き、視線を合わせた後で頷いた。


『…行ってくる』


2本の太刀を構えてルーンの飛び交う戦禍の中へ突入するクリス。


それに続き、アル、アリスが駆けて行く。


クレアは残り、シンディアとベアトリーチェと共に、未だ召喚される鬼神兵に顔を向けた。
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