captivate
ゴッ!!!


唸りと共に、いきなり風が吹き荒れた。


ジェンを拘束していた二人は風の刃に切り付けられ、強い風圧で吹き飛ばされた。


その凄まじい衝撃に、アルとシュバルツは防御壁を展開し、若き女王とVIPを守る。


「レオン!ロック!」


「何だよコレ!」
「…くっ」


衝撃が止み、静寂が訪れる。


その静寂を女王の言葉が破った。


「無詠唱…まさか…」


ルーシャが目前の現実が信じられないかの様に立ち尽くす。


「貴方何処で“闇系譜”を…!」

ルーシャは、満足そうに葉巻を吸う男を睨み付けた。


「さぁ…言えませんよ陛下」


にやける将軍に女王は身を乗り出して言う。


「魔法を唱えるには私達の様に詠唱か印を。賢者の唱えるルーンは精霊石と鍵となる言葉が必要なハズですが…貴方の使う無詠唱は存在しない、禁忌!答えなさい将軍!貴方が何故それを!」


叫ぶルーシャを鼻で笑うジェンは、大袈裟に両手を広げた。


「さぁ?」


そうジェンが返事した途端、彼の首に冷たい刃が迫る。


「陛下の質問に答えろよ」
< 22 / 170 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop