captivate
「ノースだと?あれは多国間問題には一切関与しない筈だろう!どうしてここに?」


レオンが言う。すると、レナと名乗る女の子は、深々と頭を下げてから口を開いた。


「レオン・リーフィアね?貴方の伝説は、主任から伺っています」


その会話に、クリスが入る。


「…あとは俺が話す。ロック、レオン、アル。あいつらを頼む」


クリスが指示を出すと、3人はまだ倒れているシュバルツ達のところに向かった。


「キミ達がやったの?」


周りを見ながらレナが言う。


「魔女2人を人質にされた。十天魔女の2人だ。それの保護と魔女狩りの交渉」


「ふぅん…で、決裂した訳だね?」


レナの視線を追うと、倒れた皇帝の姿があった。


「そういうアンタは、どうして帝都の中心へ?」


クリスが腕を組んでレナを見る。


「共和国領でスパイが捉えられたの。帝国軍のね。口は割らなかったけど、どうやら遺跡と魔女の関連性を調査してるらしくて」


飛び交う銃弾の雨に反撃をしつつ、クリスはその言葉に耳を傾ける。


魔術と遺跡の関連性が、何を意味するのか検討はつかないが、何かしら良からぬ事を意味してるに違いない。


「掴んだのか?」


「まだ!スパイ引き渡しっていう名目で、この城の執務室を当たったけど…」


レナは、ダークスーツの懐ーサスペンダーに取り付けられたガンホルダーから、その顔に似合わない、鈍く輝く銃口を敵に向ける。


「とにかく、今はここから抜けないと」
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