captivate
屋敷の入口を開き、クリス達はエントランスホールに入る。


奥に階段があり、途中で2つに方向が別れている。その分岐部に、白いオールバックの長髪と髭の整った、知的な雰囲気を持つ老人が立っていた。


『久しいな…クリスよ』


『…マスター・ロキニス
 久しぶりです』


『うむ…そして…十天魔女か?』


『焔業<エンゴウ>の二つ名を持つ
 シンディア・ディエンバイムです』


『閃風<センプウ>のラナ・リンシーだよ』


2人が名乗る。老人は階段を降り、クリスの仲間に頭を下げた。


『私がこやつらの師
 ロキニス・ゼアハイドだ
 弟子が世話になっている
 立ち話もなんだ…アリス
 広間に案内しなさい』


『はい』


師はアリスに頼むと、入口から左に位置するエントランスホールから別室への扉を開けて、中に入って行った。


『何でシンディアとラナが
 十天魔女ってわかったの?』


シュバルツがレオンに問う。


『貴女達の周りから
 強い気が発してるからよ』


『どの魔女よりも強く
 その二つ名に合った気が
 十天魔女にはあるんだ』


クリスとアリスが説明する。


『成程…』


シュバルツとレオン、アルが口を揃えて頷く。


『…あのオッサンと闘いてぇ!!!
 なんか強そうだ!!!』


その言葉に2人の弟子が脚を止める。


『…やめとけ、ロック』


『え?』


『死ぬわよ?』
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