ヒーローのそばで。
栗色の髪の毛に笑うとタレ目で涙ぼくろが色っぽい、本物の王子様みたいな感じだ。

ほんとに、どっかの顔だけイケメンと全然違う。

「あんまり見ないで。照れちゃうよ。」

そういった三吉くんは、とても綺麗だった。

「ご、ごごごめん!嫌だよね!ほんとにごめん!」

謝ってばかりの私は情けなくなりうつむいた。

ふとちらっと見た時計はあと3分で遅刻、という事を知らせるように針がカチッカチッと動いていた。

走って学校へ向かったのに、遅刻しては意味がない。

「ち、遅刻しちゃう!もう、行こうよ!」

「うん。そうだね。教室に行こうか。」

そうして私は、三吉くんと教室に向かった。



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