ヒーローのそばで。
「鏡原く〜ん!一緒にあそぼー!」

「こっちで水遊びしよ〜」

後から知らない女に声をかけられる。

うざい。

「俺、人探してるんで」

その一言だけ言ってその場を去った。

そして、あたりを見回してみると、千尋がニヤニヤしながら俺の近くに来るのが見えた。

「おいおい、誰を探してんのかな〜?」

「は?」

千聖は、俺が誰を探しているのか知っているようだ。

「怖い、怖い。てかお前、桜楽ちゃん探す前に、テント立て手伝えや〜」

は?こいつ今、桜楽ちゃんっていった?

千聖が馴れ馴れしく桜楽呼びしているだけなのにそれにも腹が立った。

「何でお前が桜楽って呼んでるわけ?」

桜楽は、俺の何ってわけでもないのに。

ほんとに最近の俺はおかしい。

「ひー。すみませんね〜。工藤さんがそう呼べって言ってくれたから呼んだのに!」

千聖はブツブツ何かを言いながらテント立てをしていた。


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