あなたにそっと恋をした
【three】
いつもの帰りは、みこちゃんと一緒に帰るんだけど、その日あたしは一人で帰った。
伊吹くんのことを考えたかったから。
もう18時くらいでけっこう道は暗かった。
するとT字路から伊吹くんが歩いてきた。
「わぁ!びっくりした!」
伊吹くんは何も言わずにあたしをスルーした。
「ねぇ、待ってよ!」
あたしは伊吹くんのカバンを掴んだ。
「………なに?」
伊吹くんはやっとあたしに口を開いた。