【完】好きって言ったら、
「お待たせ、羚くん」
「よし、じゃあ帰ろうか」
もう少しで9月が終わるためか、少しだけ暑さは残るものの、真夏のような過ごしにくい暑さではない。
隣で歩いてる羚くんの横顔をそっと盗み見するけど、汗はかいてなくて清々しい顔をして歩いていた。
……こんなかっこいい人、なかなかいないよ。
今だって、羚くんの隣を歩くことに多少の恥ずかしさがある。
女の子からの視線を集めてる羚くんのついでに、わたしもその子達から見られてるような気がしてちょっぴり気まずい。
だが、しかし!
桐生くんのことで傷ついたわたしの心は、そんなことではもう折れないようになってるのです!