【完】好きって言ったら、
強くなりました、三島華です。
「華ちゃんって時々、自分だけの世界に飛んでいくことあるよね。はい、戻ってきてね」
ペチっと軽く頬を叩かれハッとする。
わたしは何を考えていましたか……?
「早く話してくれないと駅着いちゃうよ。
俺、電車見逃してまで華ちゃんの話聞かないからね」
「えぇー、そんな冷たいこと言わずに最後までわたしの話を聞いてくださいよ」
「なら、早く話してくださいよ」
「…………」
羚くんの言葉が最も過ぎて返事をすることができません。
「コホッ、では話します」
咳払いを一度だけして話始めようとするわたし。
よく考えたけど何も起こらなかったから話すことが報告というシンプルかつ短時間で終わるものになってしまう。
「……あのね、羚くん。
桐生くんは、冷たいままだったよ」
「そっか」
わたしの口から出る言葉を予想していたかのような羚くんの呟き。