【完】好きって言ったら、




「そんなこと言ってたらもう羚くんと一緒に帰らないからね!」




「どちらかといえば華ちゃんに俺が付き合ってるよね」




「…………うるさい、羚くん」




ククッと声を殺して笑ってる羚くんが視界に入るからバシッと肩を叩いた。



全然痛くないよ。と言いながら羚くんは笑った。









「じゃあ、俺はあっちのホームだから。明日も華ちゃんはバイトだよね?俺も入ってるから、話聞いてあげるよ」



「ありがとう……」



羚くんは平日もバイト入ってたけど、こんなにも連続して入ることはなかった。




多分、わたしのこと気にかけてくれてるからなんだろうな。



本当に王子だなぁ、羚くんは。



名前は“れい”って冷たいのに、実際は温かい人なんてギャップ萌えでも狙ってるんですか。



……ごめんなさい、変なこと考えました。




「うん、華ちゃん。とりあえず病院行こうか」




「……羚くん怖い」




わたしの考えてることなんでそんなに分かるの?


わたし無意識のうちに声に出してるのかな?




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