【完】好きって言ったら、
「華ちゃんは彼とどうなりたいの?」
突然の羚くんからの質問。
どうなりたいのって……。
「一緒に帰るだけじゃなくて、たまにはカフェとかでお茶して、休みの日には映画とか見て………それで……っ」
「うん」
「それでね……好きだって言って欲しい。笑って欲しい。冷たい顔はやだよ……っ」
とうとう耐えられなくなって零れ落ちた涙。
羚くんの手はわたしの手を握っててくれていた。
「その気持ちを彼にちゃんと伝えたことある?」
フルフルと首を横に振った。
だって、そんなこと言って嫌われたら……。
わたし……っ。