【完】好きって言ったら、




ベンチに座っていたわたしの手に持っていたスマホが揺れた。




『彼と話せれた?』



ラインを送ってくれたのは羚くん。




『ううん、まだ桐生くん来てなくて…』



そう返信すると、次はスマホが着信を知らせる音を流し始めた。



「もしもし?」



『大丈夫?』



「大丈夫だよ。羚くん、心配し過ぎです」



ごめんね、羚くん。



羚くんからのラインが桐生くんからだったら、



羚くんからの着信が桐生くんからだったら、


そう考えてしまうわたしは最低だね。



羚くんが心配して連絡をくれたのに。



「羚くん、ごめんね。あと、ありが……きゃっ」



いきなり背後から取り上げられたわたしのスマホ。




< 33 / 55 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop