【完】好きって言ったら、
「桐生くん……好き。好きですっ…。
大好きなんです、桐生くんのことが」
「は?」
「嫌です。桐生くんが冷たいの。無表情なの。
笑った顔がみたいです。一緒にお茶したいです。映画みたいです。ギュッてしてほしい。好きって言ってほしい……。桐生くんが大好きなんです、わたし」
だから、お願い。
嫌いなんて言わないで……っ。
「何なんだよ、お前……。ふざけんな」
「わっ!」
乱暴な言葉とは裏腹に優しく抱きしめてくれた、桐生くん。
「絶対振られと思った。だから、来るのも迷った。でも、お前は俺が来るまで待ってそうって思ったから来た」
「うん……」