【完】好きって言ったら、
「羚くんだよ!桐生くんとね仲良くなるためにアドバイスくれたのも羚くんなの!一緒に帰らなかったら男の子は心配する……みたいなことも教えてくれてね、それで……すごい優しいの」
「…………華ちゃんのバカ」
焦って、とりあえず何か言わなきゃと思いいろいろ言ってはいけないことを言ってしまったみたいです。
どんどん寒くなる、わたしの左隣。
怖くて顔をあげることができません。
やっちゃった……。
せっかくいい感じの雰囲気になったのに。
わたしの、バカ。
「あっそ」
え?そ、それだけ?
「どうでもいい。俺、帰る。そいつに駅まで送ってもらえば」
……さっきまでの優しかった桐生くんは何処へ?
え?嘘でしょ。5分も経ってないよ?