【完】好きって言ったら、
「お前の紙」
「あ、……えっ」
1度も話したことがない、男の子。
彼はわたしのクジと自分のクジを、先生にバレないようにそっと交換してくれた。
誰も気付いてくれなかったのに。
彼だけ、気付いてくれた。
「あ、ありがとうっ」
「……」
その言葉に彼からの返事はなかったけど、わたしは嬉しかった。
高校生になって少しだけ感じてた男の子への恐怖心。
体も大きくて、乱暴な言葉が多くて怖かった。
でも、人は見かけで判断してはいけませんね。
紙を交換してくれた男の子は背も高くて、髪の毛も茶色だし、正直同じクラスに彼がいるのが分かった時わたしはショックを受けた。
だって、茶髪怖いです……。