【完】好きって言ったら、
「ほら、早く帰るぞ」
華の頭をポンッと叩き、華の歩く1歩先を行く。
じゃないと、笑ってるの本人にバレるから。
結局、俺の笑みが取れたのは下駄箱についてから。
靴を履き替えたら、華が少し遠慮気味に
「美味しいケーキ屋さん見つけたの。桐生くんと一緒に行きたいなって思ったんだけど行ってくれますか?」
甘いものに美味しさを感じないのが俺。
そう、甘いものは無理なんだよ。
なんだけど……絶対華は美味しそうにケーキを食べると思うんだよな。
で、その顔は多分超可愛いはず。
よし、行きましょう。ぜひとも。
「勝手にすれば」
ごめん、冷たくいう俺をどうか許してください。
冷たく言わねーと、顔の緩みがおさまんねー。