【完】好きって言ったら、




仕方なくね?


こいつが可愛すぎるのがダメってことで。




「き、桐生くん……」




「なに?」



「て、手をね…繋いでもいいかな?」



はい、無理。死んだ。



小さい華は俺と目を合わすと、必ず上目遣いになるわけで、しかも俺の冷たさのせいで目は少し潤んでるし。



「ほら」



毎日、校門を出たら華は手を繋いでいいか俺に問う。


そんなことせずに繋げばいいのに、それをしないのが華だ。



で、俺はというと毎回華の上目遣いに殺されそうになりかけ、にやける口元を隠すように手を差し出す。



手を出したら華の視線は手にいくから。



手を繋いだ後がまたやべんだよ。


嬉しそうに笑って



「桐生くんの手、大きいね」


って言う。


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