月光の涙
あたしは当たり前に学校に行く。

ただそれだけなのに、今日は少し違った。

なんでだろう…



「おはよう。」

教室に入ると1番に声をかけてくれたのは菜帆だった。

「おはよーう。」

そして教室を見渡す。

あたしは自然にあいつを探していた。

そう、あいつ。

大和はまだ来ていなかった。

少しだけがっかりしたあたしがいた。





キ―ンコ―ンカ―ンコ―ン





朝礼が始まる合図。

あたしたちの担任の森中先生が元気よく教室に入ってきた。

それと同時に猛スピードで走る音。

誰だろう…

見ると、そこには汗だくの大和がいた。

「あら、遅刻ね。」

「俺、先生が教室入ってく姿見たからぎりセーフじゃね?」

「チャイム鳴ってるから遅刻は遅刻よ。」

「え~ケチ!!!」

あたしはおもしろくて大和と先生を見ていた。

その時、目が合った。

大和はあたしにはにかんだ。

ドキンドキン…

そして「おはよう☆」と言って席に座った。

あたしは呆然としていた。

早まる心臓をよそに先生は喋り続ける。



好き?

すき?

スキ?

これは、恋と呼ぶのかな…
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