伝えたかった。
「バイバーイ」
「またね~」
放課後になりあちらこちらから
そんな声が聞こえてくる。
「凜ちゃんまたね~」
「うん!また明日」
私と凜ちゃんの家の位置はほぼ反対。
わたしが一人で
帰ろうと思っていると
後ろから声をかけられた。
「杏奈ちゃん!一緒に帰らない?」
朝話しかけてくれた
真紀ちゃんと実夏ちゃんだった。
「真紀ちゃんと実夏ちゃん!いいよー。」
「杏奈ちゃんの家ってどこらへんなのー?」
「商店街の近くだよ。」
「え!そうなの!?
うちの家商店街でお店してるんだー。」
「じゃあ家近いね~。」
「うん。着物屋さんなんだけどわかるかなー?」