クール男子の取扱説明書〈続+続々編〉
「あ、ありがと」
「なに?照れてんの?」
Mかと思えばSのこいつに私は、いつも振り回される。
いつかは私もその立場になってみたいものだ。
「あ!!中村ぁぁぁあ!!!」
「……来やがった」
後ろから私の名前を大声で呼びながら走ってくる私の親友、由良。
「なに!?どうしたの!?てか、いつも言ってるけど人の名前を大声で呼ぶな!!」
「いや、あの!助けて!ヒィィイ!」
「あ、由良ちゃん!こんちわー」
「あ、佐倉くん、こんちゃー」
渉と挨拶を交わして、何故か私を走ってきた方向に盾にする。
「え、なに」
「黙って」
黙ってって……いきなりされて黙ってられるか!!!