クール男子の取扱説明書〈続+続々編〉
─祐月side─
「でさ、最近めっちゃ舞琴が可愛いんだよ」
「へー」
弁当を食べ始めてからずっと渉のノロケを聞かされる俺と野村。
野村は少しも興味無さそうに答える。
「祐月は、どうなわけ?なんか可愛いなーって思わないの?」
「いや、佐倉。こいつだぞ?こんな毒舌クール野郎が、あの石原に可愛いって思わないだろ」
「……」
野村……それは聞き捨てならないな。
「石原さんは……可愛いよ」
石原さんは、可愛い。
彼女だからとかそんなんじゃなくて、単純に一番可愛いんだ。