きみに想う 短編集
「なんでついてくんだよ?」

「何をするのか気になるから」

男は食料庫と思わしき場所に入り

ごそごそと何かを探す様子だ

「あった!これだ」

男が探し手に取ったのは白い粉が入った小さな透明の袋

「おいおい。マジかよ…
それって…白泉花の粉か?」

白泉花とはこの国の白泉という泉のほとりにしか咲かない大変珍しい花から取れる花粉を加工したもので、人間が口にしたら一瞬で死が訪れる猛毒だ。管理は厳重で持ち出すことはとても出来ない代物のはずだが…

「まさかだろ?それを他国に売ってんのか?」

この町の領主と白泉花の管理者がグルってか?

面倒な仕事増やしやがって…

陸は眉間にシワを寄せて考えていると

男は次なる場所へ移動しようとしていた

「おい!待てっ!」

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