きみに想う 短編集
「君の名前は?」

陸は男の後をつけてしつこく話し掛けるが相手にされない

「魔力持ちなのは家系?」

「あーもうしつこい!!どこまで付いてきたら気が済むんだよ?」

「帽子を深く被ってるのはもしかして…
タヤル族だから?」

前を歩くのをぴたっと止めて

陸のほうを振り向き翡翠色の目で睨む

「俺は翡翠、なんてことない平民だ
これでいいだろ?後つけんな!」

翡翠と名乗った男は

ふっとその場から姿を消した

転移魔法なのか姿消し魔法なのか

どちらにせよ高度魔法に違いない

船の密輸についての情報は得た

後は陸じゃない役人に仕事を振ればなんとかなる

だが、この町に残りこの気になる少年について調べることにすると以外なことが発覚することになる

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