きみに想う 短編集
凛子の恋心
目の前には戦場と呼ぶのに等しい状況

悲鳴や血の臭い

焼ける臭いに埃っぽい空気

夜なのに明るいそんなところで

私は貴方に出逢った

母に抱かれていたのに気付けば身体や頭が痛い

目を開くと真っ黒な姿が見える

次に母が魔力を放っているのが見え

近くの真っ黒な姿にテレパスを送る

ママヲタスケテ

変なの

触れてないのに…

黒い姿の気持ちが流れ込んでくる

凛子は触れると相手の心が読める能力を生まれつき持っている

動かない身体に大人な気持ちが流れ込んでくる

それ程、巨大な思いや気持ち

いつもなら大人の心が流れ込んでくるのは気持ち悪いのに

今は怖くない

切なさや悲しみ、熱い思いが心地よくさえ感じられる

自分には感じるこの気持ちが相手に伝わることはまずない

周りは戦場なのに

心の中は…締め付けられるような温かさが流れてくる
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