気づけばそこに
その後も大ちゃんはしゃべり続け、
それに私が相槌を打つだけ。
気づけば、やっと家に着いていた。
「じゃ、明日から夏休みだけど
バイバイ」
大ちゃんは一方的にそう言って家に入っていく。
「っ…………」
最悪だ………。
これじゃ、夏休みにアピールするどころか
田中先輩に取られちゃうよ……。
「………大ちゃん」
「んー?」
「…バイバイ」
「おう」
馬鹿だな、私……。
この時私が何か勇気を出して行動していたら
未来は変わっていたのかもしれないのに。