気づけばそこに
1歳の差
学校に着くと、いつも、
大ちゃんを遠い存在に感じてしまう。
「大輝おはよ~!」
「だ、大輝くん、おはよっ!」
「佐藤くん、おはよう!」
「佐藤先輩、おはようございます!」
少し派手目な人、おとなしそうな人、年上の綺麗な人、私と同い年の後輩。
色々な女の子達から、大ちゃんは声をかけられる。
その、1つ1つに「おはよう」って笑って返してあげてるから
余計、みんな大ちゃんを好きになっていくんだ。
そんな、大ちゃんの隣に私がいて、
誰?ってなるのは言うまでもない。
だから、いつも私は「じゃあ、大ちゃん先に行ってるね」と言って、大ちゃんより先に
教室に向かう。
どっちみち、学年が違うし階も違うから
一緒に行ける距離は限られてるんだけど…。