気づけばそこに




そして、今日も。


「大ちゃん、先に行ってるね。」



「あ、ごめんな。」



「ううん。」





私が大ちゃんから離れると、次々に他の女の子達が大ちゃんの周りを囲んだ。




そこには、可愛い人ばかりで
正直、自分の醜さにガッカリする。






「はぁ………。」





大きすぎるため息をついて、下駄箱で靴を履き替えていると



「白石、おはよ。」


と声をかけられた。



「あ、中川くん、おはよう。」



同じクラスの、中川 翔太 (なかがわ しょうた)くんだ。
フレンドリーで、よく話しかけてきてくれるんだよね。





「ため息どうしたの?」




「ちょっとね~……」



「…悩みがあるなら、いつでも相談してくれよな。できるだけ力になるからさ。」





中川くん……、なんて優しいんだ!


馬鹿だな、なんて言って心配すらしてくれない浩二や大ちゃんとはやっぱり違うな~。




「ありがと!
中川くん優しいんだね。」



「別に、普通普通。」



「いやいや、優しいよ~。
うちの弟と大ちゃんなんて、心配すら
してくれないんだから。」



「……大ちゃんって、佐藤先輩?」



「うん、そうだよ。」



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