As sweet honey. ー蜂蜜のように甘いー
もう随分と歩いた気がする。
そう感じるだけかもしれないけど。
さっきまで聞こえていた祭りの音が少し遠ざかっていた。
人も殆ど居ない河川敷までやってくると、芝生の上に座った。
私はその場所に見覚えがあった。
何故ならいつも、私と悠太、そしてお互いの両親で花火を見ていた場所だからだ。
StarRiseの皆と行くようになってから来ていなかったけど。
「ここ綺麗に見えるんだよね、花火」
「懐かしいね」
「毎年同じ場所に座って見てたの覚えてるなぁ」
ヒューという音の後に、バンッと大きな音が響いた。
花火が始まったんだ。
真っ暗な夜空に輝く幾つもの花火が、とても綺麗で夢中になった。
「綺麗……」
自分の声も聞こえない程に花火は沢山打ち上がる。
そんなのき、不意に耳元に気配を感じた。
「ね、_____よ」
「っ!」
はっと悠太を見るけれど、平然と花火を眺めていた。
は、反則だ。
赤くなった顔を花火の光で誤魔化すように、私は夜空を見上げた。
本当に、綺麗だ。