As sweet honey. ー蜂蜜のように甘いー
中庭のベンチに座って首を落としている
と、隼人くんが顔を覗いていた。
「わっ、びっくりした」
「あぁ、ごめん、ごめん。んで、何そんなに悩んでんだ?」
隼人になら言ってもいいよね。
「それが____」
私は、昨日の事を全て話た。
「あっはっは!そんなのアリかよっ!初めて聞いたぜ、そんな話。まさか役者に選ばせるなんてな」
「笑い事じゃないよ。真剣に悩んでるんだから」
「んま、いざという時にぱっと頭に浮かんだ方で良いと思うぜ?」
なんて大雑把な。
「で、でも……」
「脚本家さんはちゃんと2パターン作ってくれるんだろう?」
「うん」
「なら、どっちになってもおかしくないような出来の筈だ。だから実際どっちだっていいんだよ。ファンだって、大体五分五分って感じだろ。だから、ファンの声をいちいち聞いてたら切りがねーよ」
まぁ、確かにそうだ。
「深く考えるのは良くないってことだよね。うん、撮影本番の時に、ぱっと思い浮かんだ方にすることにするよ」
「よし、解決だな。んじゃ、俺はこれから撮影だから」
「頑張ってね」
「おー」