As sweet honey. ー蜂蜜のように甘いー




「な、何言ってるの?」





『冗談だよ。どんな反応するか試してみたんだ』





「……」





『とりあえず帰ってやれ』





「うん」




電話を切ると踵を返し、家に帰った。





「ただいま」



少し中の様子を伺いつつも、ドアを開ける。



「っおかえり!」




ぎゅっと抱きつてくる悠太。




「く、苦しいよ」




「僕だって苦しいよ。胸が張り裂けそう」




「……」




「僕のこと嫌いになった?」



私は、力強く首を横に振った。



「嫌いじゃない。嫌いなわけない」




そういうと、そっと体を離した。



「そっか。なら良かった。じゃあなんで……」




「それは、意識しちゃって」




「意識?どうして?」



ああ、こういうところは鈍いのね。



「なんでも!」




今だって、鼓動が早くなってる。



ドラマの台詞みたいに、簡単に「好き」って言えちゃえば良いのに。




そうもいかないのが現実なのだ。

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